今回も気になる難聴ニュースを紹介!
なんと、認知症の治療薬で難聴マウスの有毛細胞が再生したのだとか?!
基本的に哺乳類の有毛細胞は一度損傷してしまうと二度と再生しないと言われていますが、マウスの有毛細胞を再生させたとなると、難聴の我々としてはかなり期待してしまいますよね!
近い将来、難聴も投薬で治る病気になるのかしら…
今回は、米ハーバード大学と慶応義塾大学による共同研究の成果をまとめてみました。
目次
【2013年の研究】薬剤で難聴改善!マウスの内耳細胞の再生に成功(慶應義塾大学の研究より)
引用;慶應義塾大学
・この実験では、認知症の治療薬を難聴マウスに投与し、聴力を改善させる事に成功した
・音を脳に伝える有毛細胞は一度損傷すると二度と再生しないと言われている
・研究チームは有毛細胞の隣にある支持細胞に着目
・この支持細胞は有毛細胞に変化する事ができるが、通常は有毛細胞から変化を阻む信号が出ている
・そこで、この信号を阻害する薬剤を難聴マウスの内耳に投与
・結果、有毛細胞の数が回復する一方、同程度の支持細胞が減少(支持細胞の一部が有毛細胞に変化した)
・この状態のマウスに音を聞かせて脳波を測定したところ、聴力の回復が見られた
なんと!認知症の治療を目的として作られた薬剤で、マウスの有毛細胞が回復したと言うではないですか!!!
正確には、有毛細胞の隣にある支持細胞が薬剤を投与する事で有毛細胞に変化し、聴力回復が見られたというものですが…
めちゃくちゃ夢がありますよね!!!
現時点で、哺乳類の有毛細胞は一度損傷すると二度と再生しないと言われています。
しかし、薬剤でマウスの有毛細胞が再生したとなると、将来的には難聴は薬で治る病気になるのでは…?とすら思えてきました。
人は二度と復活しないと言われている有毛細胞だけど、ニワトリは損傷するたびに再生するんだよ。
詳しくは以下の記事を読んでみてね!
ちなみに、この薬剤ですが、下痢などの副作用があり認知症治療薬としては実用化しなかったものらしいです。
しかし、研究チームは耳への局所的な投与なら問題ないとみています。
【最新情報】研究結果から約10年経過…現在の状況は…?人への投与の結果は?
先ほど紹介したマウスの有毛細胞再生の研究。
私が見つけたのは最近なのですが、研究自体は2013年のものだそうです。
約10年も前の研究なんですよ。
10年も経過すれば、人への薬も出来ていそうな気もするのですが…これは素人の考えですかね。
人への投与などはまったく行っていないのでしょうか…。
と、現在はどのような状況になっているのか気になりますよね。
私もとても気になって血まなこでネットを検索した結果、とっても気になるツイートを発見しました。
それがこちら。
内耳有毛細胞再生(分化誘導療法)のEU臨床試験の結果がNat.Commun誌にpublishされました。慶應生理学とHarvardの共同研究で2013年にNeuron誌にマウス(ネズミ)で結果を出してから10年。創薬は時間かかりますね…https://t.co/Wg1xix87nb
— Masato Fujioka (藤岡 正人) (@mtfuji21) March 3, 2024
こちらの方のツイートがツリーになっていたので、内容を簡単にまとめてみました。
・内耳有毛細胞再生のEU臨床試験の結果がNat.Commun誌に公開された
・高音の聞こえと雑音下の聴き取りが改善した人が全体の半分弱という結果
・残念ながら有効性評価項目では未達とのこと
素人にはまったくわかりませんが、聞こえが改善したという人が全体の半分弱と言うのは、有効性未達なんですか?
特に、私のような高音が聞こえない人にとっては、高音の聞こえが改善ってダメ元でもやってみたい治療なんですけどね。
そんなこんなで、こちらの研究について続報を調べまくりましたが、やっと見つけたのがこちらのツイートのみ。
10年経ってもマウスの有毛細胞再生技術の人への進歩が見られないという事は、やはり再生医療は難しいのでしょうか…。
【結論】認知症の薬での有毛細胞再生の進捗は不明…。しかし!京都大のips細胞がだいぶ頑張っているらしいよ
今回は、気になるニュースを見つけたので自分なりにまとめたり、最新情報を調べたりしてみたので、情報共有してみました。
二度と再生しないと言われているマウスの有毛細胞が、耳への投薬で回復したというのはだいぶ夢のある話でしたが、進捗状況は不明です。
しかし!有毛細胞の再生医療は京都大学のips細胞が現在かなり頑張ってくれています!
最新の研究によると、ips細胞で患者の血液から有毛細胞等耳の細胞達を複製するところまできているそうです。
そこから細胞が再生出来るメカニズムの解明や再生を促す薬剤の発見も期待できるとのこと!
現在、山中教授のips細胞の応用で有毛細胞の再生医療技術が日々研究されています。
京都大学iPS細胞研究所では、「難病やケガで苦しむ人々を救いたい。京都大学iPS細胞研究所に安定した研究環境を!」と募金を募っていたので、そんな大きな額では無いのですが、募金させていただきました。
日々、研究してくれている方々に感謝の気持ちを込めて!
難聴はいつか治る病気になると信じて!
私は何も力になれないので、せめてお金でも…と少額ですが募金させていただきました。
気になる方がいたら、以下をチェックしてみてくださいね!